産後、自宅でゆっくりと過ごす時間の中でこの本を手に取りました。
天使ママに紹介されたのをきっかけに読んでみた一冊です。
この本では、「赤ちゃんは自分で命の時間を決めて生まれてくる」という考えが書かれています。
たとえ短い時間だったとしても、それはその子が選んだ意味のある時間。
そしてその子には、ちゃんと「役目」があって生まれてきたんだと。
実際に体験された方の不思議な話や、赤ちゃんからのメッセージがたくさん紹介されています。
“胎内記憶”や”胎話士”といったスピリチュアルな要素があり、すべてを信じているわけではありませんが、こういった視点もあるのだなと知ることができて、心の支えのひとつになりました。
著者は産婦人科医で、胎内記憶について研究や講演をされている方です。
妊娠は必ずしも順調に進むわけではなく、なかには私のように雲の上に帰ってしまう赤ちゃんもいます。(妊娠の8~15%は流産、出産の2~3%は死産とも言われています。)
本の中では、赤ちゃんはおなかにいるときからすでに意識があり、自らの意志で母親を選び宿ってきたと書かれています。(これに関しては私が不妊治療を経験しているのもあり、必ずしもそうではないと思っています。)
流産や死産の赤ちゃんからのメッセージがいくつも紹介され、生まれることや生まれないこと、生きることについて考えさせられる内容でした。
わたし自身、死産を経験して「妊娠したら元気に生まれてくるのが当たり前」ではないことをひどく痛感しています。ただ妊娠の何%が流産で、死産になってしまうものが何%あるんだよ、とどれだけ確率を説明されても、一方で「なんで自分が…?なんで私達の赤ちゃんなの…?」と思ってしまいます。
そんな中で、「雲の上に帰るのは赤ちゃんの都合もある」「赤ちゃん自身がへその緒を握って血流をコントロールしたりすることもある」「赤ちゃん本人が生まれることを決めているなら多少のストレスなどで流産にはならない」という言葉は目から鱗で、驚くのとともにそういった見方もあるんだな、と救いになりました。
あの時ああしておけば、もっと早く気づいていれば…どうしてもそう考えてしまうからこそ。
亡くなった赤ちゃんはすでに”役目”を果たして旅立った。
「宿ってくれたことそのものを祝福してあげて」
「たとえつかの間の出会いでも、お母さん、お父さん、赤ちゃん、みんなの気持ちが揃わなければ、命は宿らない」
「赤ちゃんは”宿してくれてありがとう”と心から嬉しく思っているはず」
流産や死産は非常にショックが大きくて。喪失感があって当然。でもそれに向き合い、トラウマを残さないよう祈っていますという、著者からの温かいメッセージがありました。
この本を読んで、そらもなにか大切な”役目”をもって、私たちのもとに来てくれたのかもしれないと感じました。「お腹に来てくれてありがとう。お空の上でどうか幸せに過ごしていてね」そう願っています。
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