クリニック卒業の日に告げられた「絨毛膜下血腫」|不安と祈りの日々のはじまり

そらと過ごした日々

母子手帳をもらい、いよいよクリニック卒業の日。

「やっと憧れの産院に転院できる!」

そう思うと胸が高鳴り、お世話になった不妊治療のクリニックへ、少し緊張しながら最後の受診に向かいました。

エコーを覗く先生の表情が、途中から少し曇ったのを今でも覚えています。

そして告げられた言葉は——「絨毛膜下血腫」。

初めて聞くその言葉に、頭の中が真っ白になりました。

「このまま進行すると流産の危険があります。しばらく安静にしてください」

そう言われた瞬間、それまでのうきうきとした気持ちはすっと引いていき、代わりに冷たい血の気が足元から登ってきました。

妖精のようなかわいいわが子の隣に移る出血痕(画像右)

「絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかっしゅ)」とは

「絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかっしゅ)」とは、妊娠初期によく見られる出血のひとつなんだそうです。

赤ちゃんを包んでいる「絨毛膜」と子宮の壁のあいだに血がたまってしまう状態
妊娠のごく初期は胎盤がまだしっかりくっついていないため、そのすき間で小さな出血が起こることがあるそうです。

💡特徴とポイント

  • 超音波(エコー)で「黒い影」のように見える
  • 多くは時間が経つと少しずつ吸収されてなくなる
  • 血腫の大きさや位置によっては出血や腹痛を伴うこともある
  • 「安静に過ごすこと」「重い物を持たない」「長時間立ちっぱなしを避ける」などが指示されることが多い

絨毛膜下血腫があっても無事に出産される方はたくさんいるそうです。
ただ、場所や大きさ、出血の量によっては流産のリスクが上がることもあるため、
先生たちは慎重に「安静にしましょう」と伝えます。

診断されてからは、仕事も休み家でじっと過ごす日々。

体を横にしながら、お腹に手を当てて「どうか無事でいて」と願う毎日でした。

ちょうど悪阻も始まり、体も心も思うように動かせない中で、それでも小さな命を守りたい一心で過ごしたあの頃。

今思えば、あの不安な時間が“母になる覚悟”を少しずつ育ててくれたのかもしれません。

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